アコギ中心の生活

日々考察する音楽や楽器のことなどブツブツ。

リアルを求めるならアコギはマイク録りにすべきか否か?

先日、質問を受けました。「リアルなアコースティックサウンドを求めると、やはりピックアップからのライン録理ではなく、そのまま録るマイクの方がいいんですかね?」

いや、あの、も〜う。。

私のブログの趣旨をわかってますか?てか、読んでますよね?読んでて質問してるんですよね?

別に怒ってるわけではないですよw 

ただ、本ブログは「スピーカーから出力するアコギの音をいかに生っぽくするか」をテーマに日々考察したことを書いていこう、ってことなんですよ。

「マイクVSライン」 にするのはステージ違い。

そもそもマイクも生音ではないですからね。ミキサーやらアンプを通過しスピーカーで出てるある種のライン音。なので、「マイクで拾った音をいかに部屋で普段弾いてる音のまま出力するか」というのも私のブログのテーマになるわけですね。

みなさんマイクで拾ったら生の元音が拾えると思っておられますが、マイクによって全然違いますからね。ボーカリストが歌をとる時に色々とマイクを使い分けたりするんですよ。

 

まぁ、マイクの方がそりゃ生に近いですよ。マイクで歌う時に「生音が拾えてるか?」なんて気にしないですもんね。

マイクは、弦の音、ボディーの共鳴はもちろん、空間に設置してるわけですから空間に響く音も拾うわけです。なので、耳で聞いている音に近い音を集めて拾うんです。

レコーディングではマイクが基本ではないでしょうか?マイクの設置場所にシビアになりながら最高の場所を見つけて収録します。

 

ただ、ライヴはマイクが正義とも限りません!

アコギの音にこだわる人は「空気感」を大事にする人かと思います。

内臓のピックアップから出た音にはリバーブなどで空気感を作ってそれっぽく加工します。そういうエフェクターを使わずに空気感を出したい!!という人はマイクにすれば良いんです。もともと空気を拾ってますから。手を加えなくても空気感ということに関しては確実に拾ってくれます。

しかし、音の仕組みについて考えてください。

アコギを生で弾いて響く音は、弦から出た音が空気に乗って耳まで届いて空気感のある深みのある音として聴こえます。

ライブを思い出してください。例えばラインで出力した音は、スピーカーから出て客席の耳に届きます。このスピーカーから出た音も同じように空気に混じりながら飛んでいくわけです。そう、冷血な音に思っているライン音もスピーカーの振動、店の壁や天井への共鳴などを通じ、生きた音として飛んでいくのです。

 

そう、意外と冷たい音でも客席に届く頃にはナチュラルさが出ているんです。

響きまくる空間などもあります。鳴ってる音の何倍も響くこともあります。

そんな時にマイクで温かみのある空気感のある音を拾い、それを出力すると、(極端に言いますと)空気感が溢れかえって、弦の芯のある音が聴こえない、自分が普段聴いている愛器の音とはまるで違う音が客席にこだまする。なんてこともあります。

 

そこで、マイクで拾うにはPAさんの経験と技術が必要です。

この技術があれば、ピックアップには勝てないでしょう。

マイクで拾いライヴ空間で出力した際に本来より響きすぎる音域を削る的確な技術が大事です。また逆に、空間の特徴で、吸われてしまい届かない音域というのも発生します。そこを上手く聴こえさせるかも大事です。芯のある音をしっかり出しつつ、ナチュラルなリバーブ感を膨らみ過ぎずに調整するといった感じでしょうか。

コレは大きいステージの話と思う人もいるかもしれませんが、そんなことは無いです。

小さいカフェや会議室なのでも起こることです。

逆に本格的なPAさんがいない場合が多いと考えれれる小規模ライヴほど強敵になる問題かと思います。

 

あ〜、前振りが長くなった(笑)。

 

自分でPAをやったり、小さなライヴイベントだったりするなら、ピックアップの方がトラブルも少ないと思います。空気感のない音で拾って、会場の響き方を聴きながら、必要な分だけリバーブエフェクターで空気感を足していくというやり方ができるのがデッドな音を拾うピックアップの得意技です。

 

最近は、L.R baggsのANTHEMなどマイクを搭載したピックアップもあります。

こういうマイクはアコギ専用に考えられていますので、前述したようなPAさんの仕事(イコライジングやコンプなどの要素)を高レベルでセッティングされたものです。

こういうマイク型ピックアップを用いることにより、マイク録りの暖かさと空気感、専用ピックアップらしい安定感がハイブリッドで取り込めます。

 

また、こんなに素晴らしいマイク型方式のピックアップが増えていますが、ANTHEMも同様インブリッジピエゾが同時に内臓されているものが多いです。

 

そう、コレなんです。やはり冷血なピエゾ音はライヴでは必要なことが多いんですね。

 

ピックアップ型のマイクは専用にチューニングされているとはいい、やはりマイク。

マイクで拾う時に出る問題と同じことが発生するんです。わかりやすくいうとエアリー感がですぎる、場所によっては芯が拾えない。

そんな時に、同時に拾っているインブリッジのピエゾから出力されるお世辞にもアコギ音とは言えない音を少し混ぜると、、、、

あら不思議、マイクだけより逆にリアルかも!!

となる場面も多々あるんですね。

 

考え方によっては、ピエゾ音にかけていたリバーブエフェクターの役割を内臓マイクが本物の空気を用いて行ってる感じですね。

 

あ〜、疲れた。熱く真面目に語りすぎた。

 

結論、

あ、結論なんてものはないです。

私も場所によってはマイクでライブしますし。

ただ、いい意味での妥協(トラブル回避、時間のタイトさなどを考慮し)でピックアップでの出力が9割ですね。

 

場面によっては、ギターアンプにつないで、やることもありますよ。

それはまた追って〜。

 

とりあえず、トラブルが少なくて、マイク感があるピックアップをご紹介しておきます。